はじめに
「アジャイルってなんか短いスパンで開発するんでしょ?」
以前の私はアジャイル開発に対してこの程度の認識で、その内容をはっきりとは捉えていませんでした。
自社でも開発フローを見直したいというニーズがありこの機会にアジャイル開発を詳しく知りたいと考え『アジャイルサムライ ~達人開発者への道』を読んでみたので印象に残った内容と感想をまとめておきます。
顧客が積極的チームに関わる
書籍では、顧客が積極的に関わらない開発を「犯罪的」と嘆いています。
プロジェクトは顧客の課題を解決するものであって、その当事者の意見を継続的に取り入れられない開発が顧客のイメージから徐々ズレていく事は容易に想像できます。
プロダクト開始時に失敗が決まる
驚く事にスタートを切る前からだめになってしまうプロジェクトが世の中に多くあるようです。
その原因は、プロジェクト開始時点で思い描く成功が各々異なっている事です。この状態で開発を進めていくとシステムは完成したがニーズと合わないものになる悲惨な結末を迎える事になります。
このような状態に陥らない為、チーム内でゴール、ビジョンを共有する事が重要になります。
インセプションデッキを使うメリットを考察する
インセプションデッキでは10個の設問が用意されています。
その中でプロジェクトの全体像を捉えるものと、プロジェクトの具体的な解決策を検討する2つのフェーズに分類されます。
特にメリットを感じたのは前者で、作ろうとしているものの背後にある「なぜ」をメンバー全員が掴む事でチーム、個人の振る舞いが変わってくると思います。
誰が何をする為のシステムかを理解する事で、やる事・やらない事、優先度、画面の見せ方など的確な判断が下せるようになります。
※インセプションデッキの個々の設問についてはこちらにわかりやすくまとめていただいているので参照ください。
crowd.itpropartners.com
既に動いているプロジェクトでもインセプションデッキを作るべきか
既に稼働しているプロジェクトにアジャイルを取り入れる際、インセプションデッキを作るかどうかの判断は、問題がチームの方向性にまつわる事で、チームの全員が以下の5つの質問に答えられるかが基準になります。
- このプロジェクトにいるのはなぜか?
- 成し遂げようとしている事は何?
- 顧客は誰?
- 解決すべき主要な課題は何?
- 最終判断を下すのは誰?
プロジェクトのゴール、ビジョンの共有ができているか、チームに巻き込むべき顧客を認識できているか、決定権の所在を認識できているかをはっきりさせる為の質問に答えられる状態であれば、スタート地点には立てています。。
最後に
プロジェクトの運用フローを見直す為のノウハウを知りたいという目的で読み出した書籍でしたが、プロジェクト方向づけが一番印象に残りました。
チームで品質に責任を持ち、顧客のフィードバックを受けながら改善していく流れは開発者としてもやりがいを感じれるフローではないかと感じます。
9章以降でプロジェクト運営に関する事がかかれているので再度時間を見つけて読みたいと思います。